乳癌術後のブラジャー選び―快適さと自信を取り戻すために
乳癌手術後は、体だけでなく心にも大きな変化が訪れます。
そのなかでも多くの方が悩むのが「ブラジャー選び」です。
術後の胸は、これまでと形や感触が変わり、敏感な状態が続くこともあります。
そのため、これまで使っていたブラでは痛みや違和感が出ることがあり、新たなブラジャー選びが必要になります。
なぜ術後専用ブラジャーが必要なのか？
乳癌手術後は、胸の皮膚や傷跡が非常にデリケートになります。
再建手術を受けた場合も、術後しばらくは皮膚の張りや圧迫感を覚える方が多いです。
そのため、術前と同じブラジャーを使い続けることはおすすめできません。
専用の術後ブラジャーは、こうした敏感な状態に対応するために作られています。
一般的なブラジャーと術後ブラの違いは次の通りです：
- ノンワイヤー設計：ワイヤーが当たる部分を避けることで、傷跡や敏感な部分への刺激を軽減します。
- 柔らかい素材：コットンやモダールなど、通気性がよく低刺激の素材が多く使われています。
- フロントオープン仕様：術後は腕を大きく上げにくいため、前開きデザインが便利です。
- パッドポケット付き：左右差が出た場合にパッドや補整材を入れることができます。
いつから術後ブラを着けるべき？
術後すぐは、医師の指示に従って圧迫用ブラジャー（コンプレッションブラ）を使用することが一般的です。
これは主に、術後の腫れ防止や形の固定のために使用されます。
その後、術後の傷が落ち着いてきた時期（おおよそ1〜3か月後）から、快適性重視のブラジャーに切り替えるのが目安です。
この段階で重要なのは、サイズが適切か、締め付けがないかを確認することです。
無理に合わないサイズを選ぶと、リンパ浮腫や圧迫による肌トラブルを招くことがあります。
ブラジャーの種類と特徴
乳癌術後のブラにはいくつか種類があり、状況や好みによって選ぶことができます。
- コンプレッションブラ：術直後用。圧迫固定が目的で、医療機関で用意されることが多い。
- 術後リカバリーブラ：傷が落ち着いた後に着用するもので、肌に優しい素材・ノンワイヤー設計が特徴。
- 補整ブラ：左右差を整えるためのパッドポケット付きブラ。見た目を自然に見せることができます。
最近は市販のノンワイヤーブラも選択肢が増えており、ユニクロやGU、ワコールなどのブランドも術後に使いやすい柔らかいブラを出しています。
ただし、パッドポケットがない場合、別途ポケット付きインナーやパッドを併用する必要があります。
左右差の悩みをどう解決する？
乳癌手術後、片側の乳房を失ったり、再建しても左右差が生じることがあります。
こうした場合、見た目の違和感が心の負担になることも。
多くの術後ブラには、パッドを挿入するためのポケットが付いており、左右のボリュームバランスを調整できます。
しかし、動いているうちにパッドがずれたり、形が崩れてしまうことも少なくありません。
その結果、「もっと自然な見た目にしたい」「安心して動きたい」と感じる方が多いです。
人工乳房という選択肢も
そうしたお悩みを解消する方法として、人工乳房が注目されています。
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「パッドだけの補整が不安」「お気に入りのブラをまた楽しみたい」という方にとって、人工乳房は前向きな一歩になるアイテムです。
まずはブラジャー＋パッドから試して、さらに快適さを求める場合に人工乳房を検討する、というステップもおすすめです。
乳癌術後のブラジャー選びは、体をいたわりながら「自分らしさ」を取り戻すための大切なケアです。
無理せず心地よく、そして前向きに過ごすために、ご自身に合った方法を見つけてください。
もし人工乳房に興味がある場合は、ご試着をされてからですと安心です。
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